
「むし歯で痛い!」といった場合は、急いで歯医者に行きますよね。
でも、歯ならびやかみ合わせが悪い状態(不正咬合と言います)は、
痛みなどを伴うことが少ないため、「急いで歯医者に!」とはなりにくいものです。



私は手術の必要な大人の患者様にたくさんお会いしてきましたが、
「成長期に矯正治療を開始していたら、手術する必要がなかったかも・・」
と思えるような方もたくさんいらっしゃいました。
また、手術とまではいかなくても、成長期に治療を始めていれば、
「もっときれいな顔のラインになったのに・・」
「もっと治療が簡単になったのに・・」
「抜歯しなくても治せたのに・・」
などと思うこともたくさんありました。
そういったことから、治療を開始する適切な時期を逃してほしくないという気持ちがあります。
でも、「早ければ良い」というものでもありません。
他院で3歳ぐらいから矯正治療を開始しているお子様にも何人かお会いしました。
そのようなお子様のお母様が、ほとんど口をそろえておっしゃるのが
「早く始めれば、早く終わると思っていた!」とのことです。
ちなみに歯科矯正の装置は歯型を採って作製する場合がほとんどです。
われわれ大人でも歯型を取られるのは苦手なのに、
「3歳のお子様では耐えられないだろうなあ」と私は思っています。
私の息子が3歳だった頃を思い返して見ても、「ちょっと無理だろうな~」と思います。
また、早く始めたからといって永久歯が早く生えてくるわけではありませんので、
結局終わる時期はそれほど変わらなくなります。
確かに「問題は早期に除去する」という考え方を否定するものではありませんが、
それで歯科治療に対する苦手意識が植え付けられてしまっては、
その後の治療がスムーズに進まない可能性もあると思います。
以下に「こどもの矯正治療」のポイントを記載してありますので、読んでみて下さい。
特に、上あごと下あごの成長時期が異なる部分は、とても重要なポイントですが、
ほとんどの患者様がご存じでなく、一般歯科の先生もあまり強調されていない部分です。

お悩みのことがあれば、何でも相談して頂きたいと思います。
院長:福山 英治
![]()
院長の紹介(ドクターズファイルの取材)についてはこちら
少し怖そうに写ってますが(笑)
そんなことはありませんのでご安心を
院長の略歴についてはこちら
院長の理念についてはこちら



現在、準備中です。しばらくお待ちください。



「こどもの矯正治療」は一期治療とも呼びますが、
6歳前後~11、12歳前後の混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行う治療のことです。
- 取り外しのできる装置
- 固定式の簡単な装置
- 部分的なマルチブラケット装置(ワイヤーの矯正装置)
を用います。
基本的には永久歯が生えそろう前に行う治療となります。
その後の「永久歯の治療」は二期治療と呼びますが、
11、12歳前後以降の永久歯が生えそろってから行う治療のことです。
マルチブラケット装置(本格的なワイヤーの矯正装置)を用いて
永久歯の歯ならびやかみ合わせをしっかりと作り上げるます。
こどもの矯正治療を受けた多くの方が永久歯の矯正治療で仕上げを行うことになります


こどもの矯正治療の最大の特徴は、「成長を利用できる」ということです。
基本的には、遺伝的な要因から、子供の顔は親に似ます。
つまり、上あごや下あごの骨格を含めた顔全体の骨格が似るわけです。
したがって、
- 上顎前突(出っ歯)の親→上顎前突の子供
- 下顎前突(受け口)の親→下顎前突の子供
となる場合が多くなります。
しかしながら、矯正治療であごの骨に力を加え、成長を促すことで、
顔つきを変えていくことは可能です。
また、あごのバランスは呼吸にも関係しています。
特に、下あごが小さいお子様の場合、のどの奥の気道が狭くなっていて、
寝ている時にいびきをかきやすくなっていたりします。
そのような場合、下あごの成長を促すことで気道が広がって、呼吸状態が改善する場合があります。
下あごが小さいまま大人になってしまうと、将来的に「睡眠時無呼吸症」に
なりやすくなる場合もあります。
さらに、かみ合わせの土台となる上下のあごの骨がずれている場合
(骨格的な出っ歯、受け口、あごの曲りなど)には、
大人になってから矯正治療を始めようと思っても、治療が難しくなったり、
外科矯正を併用する必要が出たりします。
その点、こどもの矯正治療では、あごの成長を正しい方向に促すことができ、
お顔のバランスを整えることができます。
ただし、伸びてしまうあごの成長を止めるたり、抑えたりするのは難しく、限界もあります。
あごの成長は、顔のバランスだけではなく、呼吸にも関係してくる部分ですので、
大事な成長期の時期を逃さないようにして頂きたいと思います。


よく「永久歯に生え変わらないと矯正治療はできないと思っていた」と
おっしゃる親御さんがいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
乳歯が永久歯に生え変わるのは小学校の高学年以降になる場合が多いため、
永久歯が生え変わった後の治療では、永久歯の矯正治療(二期治療)
を適応することになります。
あくまでも、こどもの矯正治療(一期治療)の目的は
- 上下のあごのバランスを整えること
- 部分的に歯列の幅を広げて、歯の生えるスペースを作ること
- 部分的に(特に前歯)をワイヤーの矯正装置でならべておくこと
- 乳歯から永久歯への生え変わりを促し、良い方向へ誘導すること
などがあげられます。
また、子供の矯正治療では、大きく分けて以下の2つのポイントがあります。
- 骨格的な問題
- 上あごと下あごの骨格的な位置関係(前後左右)に問題があるか?
- かみ合わせが悪いことで、あごの成長を妨げられていないか?
- かみ合わせが悪いことで、下あごの成長にズレを生じていないか?
- 歯の問題
- 歯列の幅が不足し凸凹になっていないか?
- 永久歯の先天欠損や埋伏過剰歯はないか(実はレントゲンを撮ってみるとけっこうあります)
- 乳歯が早めに抜けて(抜かれて)永久歯の生える隙間があるか?
ほかにもポイントはたくさんありますが、簡単に申し上げると
- 骨格的な問題→成長期でなければ対応が不可能
- 歯の問題→大人になっても対応可能、ただし抜歯等の処置が必要になる可能性が高くなる。
と考えられると思います。
したがって、骨格的な問題があればできるだけ成長期に対応しておいた方が望ましく、
その後の顔つきにも影響してくるポイントですので、矯正治療をお勧めする場合が多いと言えます。
歯の問題に関しては、予防的な意味合いもありますが、早めに改善しておくことで
将来的に歯を抜かない治療の可能性が高くなります。
また、その後の永久歯の矯正治療(二期治療)が短期間で済んだり
必要なくなる可能性も高くなります。



上の図は上あごと下あごの成長の時期が異なることを示すグラフです。
(歯学部の学生にも、講義で教えているグラフです。)
脳や神経系は比較的早い段階に成長しますが、
上あごはそれに近い成長パターンを示し、5~8歳ぐらいが最も成長が旺盛な時期となります。
また、10歳ぐらいではすでに80%ぐらいまで成長してしまっていると言えます。
それに対して
下あごは身長などと同じような成長パターンを示し、
女の子では小学校高学年頃、男の子では小学校高学年~中学生頃が旺盛な時期となります。
つまり、
上あごの成長を促す必要のある下顎前突のお子様の場合は、
5~8歳ぐらいの早めの時期に始めた方が望ましく、
下あごの成長を促す必要のある上顎前突のお子様の場合は、
小学校中学年から高学年位に始めた方が望ましいと言えます。
ただし、お子様によって成長の度合いは様々ですし、それぞれの方で対応は異なりますのでご相談下さい。


永久歯の矯正治療では、
左の図のようなマルチブラケット装置というワイヤーの矯正装置を用いるのが一般的です。
すべて永久歯に生え変わってから始める場合は、
ほとんどがこの方法を適応することになります。
使用している装置は、大人の矯正治療とほぼ同じですが、
まだ、残っているあごの骨の成長が期待できることが大きな違いです。
永久歯の歯ならびやかみ合わせをしっかりと作り上げることが主な目的となります。
また、歯を抜かないでならべられるか、歯を抜く必要があるかなどを検討します。
